翻訳家の仕事

エル・ボガバンテはスペイン料理のお店です

そしてシェフのボクは典型的な日本人です
以前もブログに書いたことがありますが
日本人が外国の料理を作る仕事は
どこか「翻訳」に似ていると思う
翻訳家はその外国語に精通してないといけないし
同時に優れた日本語の文書家でなくてもいけない
例えばこの写真はスペインではよく見る
鶏の丸焼きを1/2とか1/4で切り分けたもの
これを日本で出すのなら
鶏は各部位によって火の入り方が違うので
先に切り分けて骨を外しそれぞれ最適な仕上がりにするかもしれない
付け合わせのクタクタのジャガイモも
ローズマリーとコンフィにして形よく添えるのかもしれない
でもそれだけじゃ「和製スパニッシュ」
スペインを舞台にした日本語の小説でしかない
このお皿にはまだ「お腹いっぱい鶏を食べる」というニュアンスが残ってるし
「骨付き肉の柔らかさ」や「骨からむしり取る感触」なんかも残っている
もちろん日本人にはあまり馴染まない「違和感」も大事な要素
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