スペイン料理

Pulpo a la gallega タコのガリシア風
茹でたてのタコとじゃがいもを

オリーブオイルと塩
パプリカパウダーでマリネした
スペイン・ガリシア地方の名物料理
・・ですがこの料理については後ほど・・
じつは先日
京都のスペイン料理店で働く人たちの
京都コシネロ・カマレロ会という
懇親会的な呑み会があって
普段あまりゆっくり顔をあわすことのない
他店のスタッフの人たちと
スペイン料理のことなどについて
いろいろお話をすることができて
みなさんいろんなスタンスで
お店をされてるんだなぁと改めて思いました

いろいろ思うことはありますが

今日はそんなこんなで
ボクの小難しいスペイン料理論を(笑)

まずはじめに常に感じていることがあります
日本人のボクはスペイン人のようには

本物のスペイン料理を作れないだろうということ
でもスペイン人より日本人が美味しいと思うスペイン料理を
作れるはずだと思うし、それがボクの存在意義だということ

ボクはよく自分の仕事を

翻訳者の仕事に喩えるんですが・・

例えば一般的な日本人の方は

スペイン文学を原語のままでは読めないですよね?
やっぱり翻訳者がいて日本語で書いてあって
初めてその内容を知ることが出来るし
その面白さも分かるんでしょうし
そこには翻訳者の日本語表現の巧さも必要になってくる

つまり翻訳者はスペイン語の知識はもちろん
日本語表現の力も必要とされるわけなんです

日本人に分かりやすく面白い文章
・・・でもちゃんとスペイン文学でなくてはならない

そこのせめぎ合いがいつも葛藤です(笑)
「どうせウソ書いても分からへんやん」
って言ってしまえたらどんなに楽だろう・・(笑)

例えば「肉じゃが」をスペイン人に説明するとき
Guiso de carne con patatas 肉とじゃがいもの煮物
といえばウソではないですけど
そこに角切りの鶏肉が入っていたら
それは「肉じゃが」ではないですよね?

じゃ、なんでしょう?
うすぎりの豚肉か牛肉ですよね?・・

(他にあったらスミマセン・・・)
でも、それだけじゃないですよ

スペインには日本みたいな薄切り肉は
基本売ってないんです(笑)

限界で生姜焼き用のお肉くらいの厚み・・
Laminas muy muy finas と付けないと伝わらない・・

味付けは?醤油、砂糖、みりん、お酒?
タマネギは入れますよね?人参は?

糸コンとか美味しいですけど邪道でしょうか?

・・と一つの料理にもいろんなバリエーションがあって
かつ「それはナイナイ!」みたいなルールもありますよね

ちなみに知り合いに「親子丼」には

じゃがいもと人参が入っているのが
当たり前だと思っていた日本人もいました(笑)

ただそれを日本人が作れば
「変わった親子丼だな」ですみますけど

スペイン人が作ったら
「それは親子丼じゃない!」って
なるんじゃないでしょうか?

スペイン料理だってそうなんです
一つのレシピを作るときも
いくつもの原文のレシピを調べたり
スペイン人の料理人に直接聞いたり

現地に行ってそのものを食べたりして
どれだけ勉強しても
知識不足や誤訳、勘違いなんかで
やっぱり間違った解釈をしてしまうことがある

だからボクはスペイン人のように
本物のスペイン料理はついには

作れないんじゃないかなといつも感じてます
でもエルボガに来られたお客様に
「スペイン料理ってあんまり美味しくないね」
とだけは絶対思ってほしくないので
そこは「スペイン料理」を名乗る料理人の
意地にかけても守っていこうと心に誓っています

お客さんにとってはそれが一番大切で

そのスペイン料理がどれだけ正しいのかなんて
そんなに大切なことではないのかもしれない・・
ただ・・ですが・・
いくら自己満といわれようと
ボクはできるかぎり
正しいスペイン料理をつくりたい!!!(笑)
「正しさ」と「美味しさ」はちゃんと
突き詰めれば必ず両立するはずです!!
・・と話は長くなってきました
もう仕事に行かなくては(笑)
というわけで肝心の?
「タコのガリシア風」については
次回に続く(笑)

Continuará

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