食の記憶
ちょっと個人的なお話をすると
ボクは誰か友達としばらく会えなくなるとき
必ず珍しいものを一緒に食べることにしています
それは何かを食べた記憶、経験と
その人と過ごした時間が混ざって
より深い思い出になるような気がするからです
El Bulli のフェラン・アドリアが
彼の料理を説明した時に
「料理そのものではなく、驚きの記憶を作っている」
とかそういった意味の事を言ったことがあったんですが
これはエンターテイメントとしてはある意味正解で
レストランとしては不充分だと思う
スペイン料理というのがまだ珍しいジャンルなので
お客様の中には「どんなのか一度食べてみたい」と
好奇心で来られる方もいらっしゃると思います
でもエルボガの料理はものすごくシンプルだし
フラメンコも踊ってないしスペイン語でも話さない（笑）
もしかしたら「スペインさながらの雰囲気」っていう
エンターテイメントの要素は少ないかもしれない
でもボクは「驚くほど美味しい料理」をつくりたい
「強烈に記憶に残る味」をつくりたい
と思って毎日スペイン料理を作っています
もちろんエンターテイメントとしてお店も
気に入っていただけたら良いんですけども
なによりもエルボガでの
「初めてのスペイン料理」が良い思い出になれば
と心から思ってお料理をご用意しています
今日も記念日のご予約をいただいているので
素敵な思い出になりますよう、精一杯がんばるぞ！
