「モダン」で「スパニッシュ」

前回の続きです

そして第2部では
「モダン・スパニッシュ」と呼ばれる分野で
日本で活躍している若手シェフ4人の方々が登壇し
彼らの料理へのスタンスについて
いろいろとお話を聴くことができました

それぞれにヨーロッパを渡り歩き
スペインの当時のムーブメントを肌で感じて

また学んで帰ってきた方々です

ちなみになんですが
現地では「モダン・スパニッシュ」のことをよく
Creativo クレアティーボ(創作料理)とか
Cocina nueva コシナ・ヌエバ(新料理)と呼びます

高級料理という意味の
Alta cocina アルタ・コシーナとも

よく混同されますが・・・

この3つはボクは全く違うものだと思います

この創作料理(個人的な料理)/新しい手法(表現)/高級料理というもの
(もちろんエル・ブジがコレに全て当てはまるんですが)

その対局にあるものはそれぞれ実質的に
郷土料理/伝統的手法(表現)/庶民的な料理
となるとボクは思います

なので「モダン・スパニッシュ」という言葉を
そのまま真に受ければ
「新しい手法で作る郷土料理」になりますが
実際今「モダン・スパニッシュ」と呼ばれている彼らは
自分の料理をどう考えているのか
ボクは以前からとても興味があったんです

で・・やはりそれは人それぞれでした

4人の方の中には
「自分の料理は自分料理です」と言う方もいれば
「全くスペイン料理は意識してない」という方もいらっしゃいました
それでも
「自分はスペイン料理ということを強く意識して作っている」
という方も1人いらっしゃいました

つまりそれぞれの料理人が(ボクも含めて)
上に書いた3つの座標軸の
微妙なところに自分のスタンスをもっていて

例えばボクでいえば
「郷土料理だけど日本の食材も自由に使って」

「新しい技術や表現も取り入れたいけどそこそこで(笑)」
「カジュアルな感じ(笑)」
というスタンス

それが人によってはゴリゴリの郷土料理だったり
新しい調理技術や表現をどんどん取り入れたり・・

考えてみると
ボクらのスタンスの多様さに
カテゴリーを分けるべき「言葉」が
もう追いついてないのかもしれませんね

スペイン人が始めて
スペインから広まった
「モダン・スパニッシュ」という「言葉」は
明らかにその限界にきてるのではないでしょうか?

とか偉そうに書いてみました(笑)

そんなん言い出したらエルボガも
(ちょっと)モダン・スパニッシュですから!!(笑)

つづく・・・
Continuará

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